教室だより
建設工学科長 長尾 文明
1.はじめに
徳島大学美土利会会員の皆様には,お元気でご活躍のこととお喜び申し上げます。平素は徳島大学の学生の教育・就職・インターンシップ・現場見学・ セミナー・共同研究など,学科の教育・研究・運営に多大のご協力・ご支援を賜っていますことに大変感謝しております。厚くお礼申し上げます。
2011(平成23)年度は,学科長:長尾文明,副学科長:橋本親典教授,また,就職指導:2011(平成23)年度卒業・修了者は山中英生教授,2012(平成24)年度卒業・修了者は橋本親典教授がそれぞれ担当いたします。どうぞ,よろしくお願いいたします。
2.人の動き
1)退職・転出された教職員
2011(平成23)年3月末日に,森本恵美助教(学長裁量プロジェクト)と石田達憲助教が任期満了で退職されました。また, 2011(平成23)年4月末日に, 源貴志助教(先端工学教育研究プロジェクト)が任期満了で退職されました。
森本恵美助教は,2003(平成15)年3月に本学建設工学科を卒業され,その後,本学大学院博士前期課程及び博士後期課程生産開発工学専攻 (2008(平成20)年3月)を修了されました。博士後期課程在学中から教務補佐員として長期インターンシップの運営に携わられ,2008(平成20) 年4月から助教として,長期インターンシップの運営と学生の教育・研究に励まれました。本年4月からは,本学工学部創成学習センターの助教(学長裁量ポス ト)に就かれ,引続き長期インターンシップの運営と研究を続けています。建設工学科の学生の教育・研究指導等は継続していただきます。
石田達憲助教は,2006(平成18)年3月に本学建設工学科を卒業され,2008(平成20)年3月に本学大学院博士前期課程エコシステム工学 専攻を修了され,株式会社エコー建設コンサルタントに就職されました。その後,2009(平成21)年12月1日付けで助教に就かれ,建設工学科とエコシ ステム工学コースの学生の教育・研究に励まれ,教職員の中で最も学生に近い存在として学生の相談等に応えていただきました。本年4月からは,社会人学生と して,本学大学院博士後期課程に在学中です。今後も引続いて学生の指導等と優れた博士論文の完成を期待しています。
源貴志助教は,2005(平成17)年3月に本学建設工学科を卒業され,引続き,本学大学院博士前期課程及び博士後期課程建設創造システムコース (2010(平成22)年3月)を修了されました。その後,2010(平成22)年5月1日付けで,助教として採用され,この年から立ち上がった工学部の スーパーテクノロジーコース(STC)の学生の教育・指導を熱心に行いました。本年5月からは沖縄県農業研究センターの任期付研究員として勤務されていま す。沖縄特有の風土に適した農業施設・器具等の開発や改良等に取組まれており,新たな分野での活躍が期待されます。
ご退職・転出されました皆様の今後のご健勝とご多幸をお祈りいたします。
2)新任の教職員
2010(平成22)年11月1日付けで武藤裕則教授が,2011(平成23)年4月1日付けで塚越雅幸助教が着任されました。
武藤教授は,1989(平成元)年3月に京都大学工学部交通土木工学科を卒業し,1992(平成4)年3月に同大学大学院工学研究科修士課程を修 了され,同年4月から2年間英国Bradford大学工学部助手として勤務されました。帰国後,1994(平成6)年4月から京都大学防災研究所助 手,2007(平成19)年から同准教授を務められています。その間,1997(平成9)年7月には英国Bradford大学において,Ph.Dを取得さ れています。河川の流れの構造,河床変動,洪水災害,さらには河川環境保全等に関する実践的研究等を行われ,2002(平成14)年には中小河川の氾濫に 関する研究で自然災害学会学術賞を受賞するなど顕著な業績を築かれています。岡部教授の後任として河川・水文研究室のみならず本学科のさらなる発展に大い に貢献いただけることを期待しています。
塚越助教は,2003(平成15)年3月に東京電機大学工学部建築学科を卒業し,2005(平成17)年3月に東京工業大学大学院総合理工学研究 科環境理工学専を修了し,2009(平成21)年9月に同大学院博士後期課程を修了しました。2009(平成21)年10月から東京工業大学大学院建築物 理研究センターの研究員に,2010(平成22)年6月から首都大学東京大学院都市環境学部建築都市コースの特任助教を務められました。上田教授の維持再 生工学研究室に所属し,鉄筋コンクリート構造物等の仕上げ材の保護性能,各種コンクリート表面保護材料の性能評価,構造物の合理的維持管理システムの構 築,さらには社会基盤構造物の長寿命化等の研究と教育への貢献が大いに期待されます。
なお,両先生の着任によって建設工学科の運用定員はすべて充足され,表に示した教職員一同で建設工学科の教育・研究に励みます。
3.JABEEによる教育プログラムの認定
平成17年度にJABEE(日本技術者教育認定機構)認定を受け5年が経過し,昨年度にJABEE継続審査を受け,本年3月の学部(昼間コース) 卒業生も引続き認定プログラムによる教育を受けた卒業生として認められました。この認定卒業生は,技術士の第1次試験の合格者(修習技術者)と同等の資格 が与えられ,登録することによって技術士補となることができます。
今回のJABEEの継続認定審査の受審に当たっては,卒業生の方々に教育に関するアンケートにご回答いただくとともに,JABEE認定を受けて卒 業された10名の方々には,審査員との面接をお願いするなど,多大なご協力をいただき誠にありがとうございました。このように,技術者教育は,卒業生と教 職員とが協力して,教育プログラムの充実を図ることが必要であり,卒業生の皆様にも引続きご指導とご協力をお願い申し上げます。
4.修了・卒業生の進路
卒業生・修了生の就職につきましては,毎年会員の皆様方から格別なご支援・ご尽力を賜り,誠にありがとうございます。厚くお礼申し上げます。
2010(平成22)年度(2011年3月修・卒業)の就職状況は,下表のようになっています。括弧内は2009(平成21)年度の数字です。大 学院の修了生が昨年度より増加し,ほぼ,例年なみに近づいています。進路先は進学が1名と若干減少し,公務員,団体,その他が若干増加しました。また,学 部昼間コースでは,3年連続で進学する学生が全体の半分程度となっていますが,他大学や他コースへの進学者も含まれており,建設創造システムコースの定員 40名には届いていません。コンサルタントが若干減少していますが,全体的には例年と大きく変わりません。学部夜間主コースの学生については昨年度と逆の 傾向が見られ,進学が増加し,建築関連分野が減少しています。
以上,厳しい不況下においても従来と同様の就職状況が得られましたのは,諸先輩方のご支援の賜物であり,記して謝意を表します。
なお,平成23年度卒業・修了予定者の就職活動は現在進行中ですが,会員各位におかれましては,今後とも後輩の進路につきまして,倍旧のご指導・ご支援をお願い申し上げます。
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5.おわりに
教職員一同,建設工学科のさらなる発展に努めますので,卒業生の皆様には,今後ともご指導・ご支援を賜りますようお願い申し上げます。
最後になりましたが,美土利会会員の皆様のご活躍とご発展を願い,近況報告の結びといたします。