平成22年度 美土利会山陰支部第2回現地見学会
平成22年度 美土利会山陰支部第2回現地見学会の報告について
美土利会山陰支部
1 はじめに
美土利会山陰支部では平成22年9月にはじめて現地見学会を松江市で開催し、有意義な見学会となりましたが、今回、引き続き第2回目の現地見学会 を企画いたしました。これは、山陰支部総会を今までは米子市で開催しておりましたが、今年度、初めて鳥取市で開催することとなり、これに併せ総会に先立ち 当日に現地見学会を開催することにより、より多く会員(特に若手会員)の参加を期待し、さらには、見学場所としては、10月に山陰海岸が世界ジオパーク ネットワーク加盟したこともあり、丁度良い機会だということで決定しました。
2 現地見学会の実施内容
開催日時:平成23年1月22日(土)10:00~14:00
見学場所:山陰海岸ジオパーク(鳥取市白兎海岸から京都府京丹後市の経ケ岬)の内、鳥取砂丘から岩美町東浜の間の現地及び山陰学習館(岩美町牧谷)等
参加人数:13名(会員12名、解説者1名)
日 程 :
10:00 鳥取駅南口マイクロバス出発
10:20~11:00 鳥取砂丘全景視察、砂丘情報館見学
11:00~12:00 砂丘~岩美町東浜現地見学
(バス車中及び千貫松島、城原海岸等)
以上、現地解説等は依藤英德氏(鳥取県自然解説指導員)がバスに同乗し説明していただいた。
12:00~ 昼食及び休憩
13:00~14:00 山陰海岸学習館見学
(学芸員解説及びビデオ鑑賞)
14:30 鳥取市内支部総会会場着
3 山陰海岸ジオパークの現地見学概要
山陰海岸ジオパークは、山陰海岸国立公園を中心として、東は京丹後市の経ケ岬か ら西は鳥取市の白兎海岸までの東西約110km、南北最大 30kmのエリアです。平成22年10月に、世界ジオパークネットワークに加盟決定されました。山陰海岸ジオパークの特徴はまさに「地形、地質の博物館」 であると言われています。今回はジオパーク全体の見学は無理ですので、その内、西の鳥取砂丘から東は兵庫県境近くの岩美町東浜付近までの海岸線を見学しま した。
1)鳥取砂丘
砂丘センター屋上より砂丘全体を見学しました。
長年の風による「馬の背」と呼ばれる標高50メートル近い砂の絶壁や、「スリバチ」と呼ばれる高低差約20メートルのくぼ地など鳥取砂丘は起伏に富んだ地形が特徴であることなどの説明を受けました。
2)浦富海岸エリア~千貫松島(せんがんまつしま)
岩美町の網代(あじろ)漁港から5分ほど歩いたところで見学しました。
昔、鳥取藩主の池田公が、あまりの素晴らしさに「我が庭にこの岩つき松をそっくり移した者には銀千貫を呈す」と言ったことがこの名前の由来だそうです。日本海の荒波の中、高さ25mのこの岩は圧巻でした。
千貫松島(波で岩がくり貫かれている)
当日の参加者(一番左が依藤解説員)
雪の中での城原海岸見学 城原(しろわら)海岸
山陰海岸学習館での学芸員説明状況1 山陰海岸学習館での学芸員説明状況2
3)浦富海岸エリア~城原海岸 他
景観に優れた浦富海岸の中でも随一の景勝地がこの城原海岸です。 海中公園に指定されたこの一帯の海域は透明度25mに及ぶということですが、残念ながら季節的に今は冬なのでそこまでは実感できませんでした。後は、バス 車中から何ポイントからの景色を見学しました。いずれも素晴らしい景観で天候が良い春から夏にかけての景色は絶品と言っても過言ではありません。
4)山陰海岸学習館
当学習館は山陰海岸ジオパークの拠点施設の一つとして、貴重な地形や地質はもちろんのことそこに暮らす豊かな生き物についてもわかりやすく紹介さ れていて、平成22年4月に展示内容を一新し、リニューアルオープンしたとのことです。 当日は2名の学芸員さんが丁寧に砂丘の生い立ちや、このジオパークの意義などについて説明していただきました。その後20分ほどのビデオを鑑賞し、ジオ パークの概要を実感できました。
4 おわりに
今回の見学会は、時期的には非常に良くない条件の中実施されましたが、それでも風もあまり無く、冬の時期としては良かった方でした。ただし非常に 寒かったです。概要でも述べましたようにこの海岸は春から夏、秋にかけて天候の良い時期の景観は素晴らしく、今回、島根県会員からは是非いい時期にまた家 族を連れて来てみたいという感想もありました。また、解説をお願いした依藤さんは大変熱心に説明され、事前の下見、学習館の学芸員さんにも事前に打ち合わ せをしていただいていたようで頭が下がりました。 会員一同感激しております。ありがとうございました。
本部からの補助金がいただける最後の年度ということで多少、無理矢理実施した感はありましたが、この見学会があったから鳥取の支部総会に参加したという声もあり、1回目の見学会と併せ、非常に山陰支部にとっては有意義であったと思っております。
最後に、1回、2回の見学会実施にあたり本部事務局さんには大変お世話になりました。今回のことで会員の結束力のようなものが多少出てきたかなと いう感じもあります。今回の補助金が本来の目的に叶った有意義な支部活動に確実に結びついたということをお伝えし、活動報告を終わります。ありがとうござ いました。